2010年11月29日 スーパー堤防らしき部分の上と下の建物
 ここは東京都墨田区~江戸川区平井、荒川(荒川放水路)のスーパー堤防らしき部分。江戸時代からちょっとした高台すら存在しない場所で高くなった部分は荒川の堤防の中層で壁に近寄って自分と比較すると高さは4メートルもない。
 当たり前だけど盛り土してから家を建ててるから堤防側に古い家は1軒もない。一部だけなのでどこか決壊して水没したら陸の孤島となり家はあっても生活は続けられない。堤防決壊しなくても越水に至る事態になれば高さは足りない。過去の洪水から盛り土して家が建ってる高さより堤防はもっと高くされているのだ。川を埋め尽くすほどの水がきたら、どのみち終わりである。

 関東の河川の弱点は他にもあるのでスーパー堤防が全て整備されたと仮定しても東京を水害から守ることはできない。私が生まれるより遠い昔に荒川放水路、江戸川放水路、新中川は完成していたが、足立区、葛飾区、江戸川区を水没させたのはどこか考えれば先に守るべきはほかにある。そんなことも知らぬ地方出身者ばかりになってしまったのか 東京は!

周りじゅう囲ってしまうしかないのが東京ゼロメートル地帯。今のところ完全防備は無理、起きた時の対策を打つしかなかろう
<追記 2012年9月19日> 東京都は「地震・津波に伴う水害対策に関する都の基本方針」を策定。M8.2の海溝型地震が発生しても津波などによる浸水を防止するよう策定。堤防、護岸の4割で損傷する恐れがあり、コンクリートの打ち増し、地盤改良で補強する。水門は開閉できなくなる恐れがありコンクリート等による門柱等の巻きたてで補強する。水門・ポンプの電気施設は高潮高より高い位置に設置。

昔からの伝承を受け継いでる側としては、そらみたことか なのだが、2011年 東日本大震災にて浦安ほどではないにしても地盤の傾きは発生しているので地中深くに埋まってるわけじゃない堤防に関して不安は残る。私は子供の頃に一面が湖のようになった写真を見せられているが、堤防が決壊しただけで2メートル水没だから津波や高潮、台風が重なったらどうなるかわからない。

<追記 2018年4月1日> 2018年3月30日、東京都港湾局は巨大台風に襲われた場合の高潮による浸水想定図を公表。東京23区の3分の1が浸水し、特に墨田区99% 葛飾区98% 江東区68%が浸水、葛飾 江東 中央 3区の一部で浸水深さは10mになるところがあるとのこと。そうなると最低4階への避難が必要となり一般住宅および、この盛り土な程度では意味がないことになる。スーパー堤防なんて実現不可能よりも弱い部分の強化と避難が重要だと私が考えた通りとなった。これで東京も知らぬエセ都会人の役人は考えを改めるしかない。さて、千葉へ逃げると考えて松戸、市川、行徳と3kmごとくらいしか橋がない!矢切の渡しの風情なんてバカなことぬかしてないで橋を作ることだ。

<追記 2019年10月14日> 2019年10月12~13日、台風19号、中心が伊豆半島から宮城県から太平洋に抜けていったが広範囲で豪雨となり数十カ所で河川の氾濫、決壊が発生した。本文から追記で危惧した通り大きな河川じゃなく弱さを指摘した支流や上流部で氾濫が起きた。荒川は過去の氾濫により強化されてきたが、合流部では大きな川の水かさが増し流れ込めなくなったため支流が氾濫する現象が起きるのだそうだ。原因は知らずとも過去に決壊した場所や危ないとの伝承を受けた場所ってのは変わらず存在している。

 荒川にも過去より指摘されている危険地点がある。作られた年代により橋の高さが違う。荒川の堤防を高くするとして現在の堤防より高い位置にある橋もあるが、道路と比べて直せないのが電車の鉄橋であり、そこが弱点となっている。京成電鉄の京成押上線 八広駅~四ツ木駅は最初から荒川の両隣のため高架橋になってるが、更に上流の京成本線は下流より低い位置を電車が走ってるため必然的に堤防も低いことになる。そこから越水し決壊に繋がれば元も子もない。京成本線に並走の都道314号(川の手通り)も電車の線路より少し高いだけで海抜からしたら低い位置に橋が架かっており堤防が低い。高くしようにも先を考えない馬鹿な設計の首都高速道路が上を通っており、その点は四ツ木も同じだが首都高を高くしなければ堤防を高くすることができない。住んでいる近くの堤防が高くても意味がないのだ。京成のせいで浸水なんてことになりかけたのである。

 各地で同様にあるかと思うが知らない人が危ない場所に住み着いてる。私の旅行の短い期間でも言えるが「そこ以前は大きな池」だったところに大型商業施設と一般家屋が建ってしまった。大きな商業施設なら地盤を強固にしていると思われるが一般家屋は盛り土の上で極端な話ではプリンの上に乗ってるような状態も考えられるのではないかと。今の地図を見ると前後や近くが池で過去の地盤の悪さを暗黙に物語っている。昔は全体が農作地で周囲は池だらけ、次々と宅地に変わって行ったのを新幹線の車窓から数年間と見続けた。そんなところ多いのに駅まで何分だとか間取りがどうのって決めて被害に遭われても同情できません。