2021年3月9日　テレビ東京「よじごじDays」　ひなびた温泉が好きすぎる人に密着

　温泉の検定試験なんてつまらんものでも取っていさえすれば知ってるはずだが持ってないな。硫黄泉なのに玉子のような臭いがしないって段階で強烈なツッコミを入れずにはいられない。間違ってることを放送で言うからだ。

　　　　硫黄は無臭である。　こんな典型的な間違えを信じてるなんて！

　卵が腐ったような臭いのは危険な硫化水素。それが含まれているのを「硫化水素泉」と呼び、含まれてないのを「硫黄泉」と呼ぶ。だから番組で行った温泉で臭わなくて当たり前。ハゲに海藻が効くレベルな間違えを世間に広めるな！ こんな基本も知らずに番組を作ってしまった制作側の無知、不勉強にも危険を感じる。

　人体に有毒で無臭のガスも多いから防毒マスクなしでは入れない秘湯がいくつかあり紹介されたことがある。防毒マスクどころか登山装備に野生動物の危険もあったくらい。番組企画の「ひなびた温泉」ではないが、そこに出演していた人のほうが地域は桁違いに上に感じた。

　硫化水素の致死量は臭いを感じることができる何桁も上の濃度であるにしても、臭ってるようなら許容度は超えている。私が大涌谷の山道からすぐに退却してきたように致死量の何桁か下であっても臭うほど濃度が高ければ体調が悪くなる。
　特異的な話で、恐ろしく微量においては人体内で生成され良い働きをしているとの論文紹介も読んだが、あくまで恐ろしく微量なことであった。

こんなことも知らない　まさかの単なる好き者だってだけでテレビに出す放送局の無責任。

　番組中でも常に換気が必要な風呂が出ていたが、温泉に含まれる人体に危険なガスを放出するため、ライオンの口から出していたり、わざわざ高い位置にした木製の箱から湯船へ温泉を落とすようになってるのは法律で定められているからの工夫だ。番組中だとそのまま湯船に向かえば良いはずのパイプは上に曲げてから20cmくらい高い位置から湯船へと温泉を供給。これも知らんだろうな。

　気分の効果以上に過度な効能を信じ込んでいる温泉を批判するには勉強が重要だったんだが、こちら程度で得ている知識も凌駕できないテレビ制作。出演者にしても事情通を決め込むなら知ってて当然な知識ってあるよな。お金払えって受講すればもらえる民間検定にさえ満たずガッカリした。

　テレ東よ、「教えてウルトラ実験隊」の教訓は何も生かされてないだろ。下請けを教育する責任。内容を精査する必要性をだ。